英雄譚

この前「ダンケルク」を鑑賞した。こういう、オラが国の国民は皆、国のために戦った、的な映画っていいよね。このダンケルクの場合は一般人自分の船に兵士を乗せて逃した実話だから、それを思うとイギリス人じゃないこっちも胸が熱くなってくるんだよね。

見終わって思ったのは、なんで第二次の時の日本軍の英雄譚はないのだろうか、ということ。硫黄島とか、沖縄の戦いでの日本軍を称える映画ってあるのはあるんだけど、どれもハリウッド作品である。日本人が描いた、戦争の英雄譚はないのか。僕が知らないだけでもしかしたらあるのかも知れないけどね。

まあ、単純に言うと作りにくいのだろう。そういう映画を作ることは戦争を肯定することになる!日本の軍事化につながる!という事を突っ込む人たちがいるのだろう。一種のタブーなのかも知れない。が、これを観たイギリス人の高揚感や誇りを感じる、その気持ちを想像するととても羨ましくなる・・。。

このダンケルクも戦争の映画でありながら、実は戦いの場面はほとんどなく、ひたすら逃げ惑う映画である。敵の顔もほぼ映らない。そしてハッキリと生き延びることが大事であることをうたっている。こういうやりかななりありだと思うけど、やっぱり難しいかな。

記憶の片隅に

 遅ればせながら「君の名は。」を鑑賞。新海誠の作品は全部観てきたけど、「メジャーヒットのために作家性を捨てた」みたいな評論を読んだこともあって、見るのがちょっと怖かった。が、大ヒットに納得の出来る完成度で満足である。特に今回のメインのテーマになっている「記憶」について考えさせられた。
 どんなに強烈な体験でもいずれ薄れていくのと同じように、どんなに大事な思い出もやがては消えていく。その残酷さというか、切なさを思いださせてくれるのがこの映画だよね。昔の写真を見るとその時の事を思い出す事は出来るけど、当時の気持ちや空気を思い出すことは難しい。さらに、その時の後に重ねた記憶もたくさんあるわけで、それらを通してのその時だから、もうその時の心の再現は不可能なんだよね、良くも悪くも・・・。この映画ではもう一歩踏みこんでいて、「ずっと何かを思いだせそうだけど、忘れているから思い出すことが出来ない」という感情と「いっそう忘れたいけど、何を忘れたいか思い出せない」というところもまで行っている。そう思うと、なんとなく中高生・若者向けな映画という気もするけどそんなことはなく、僕みたいな中年でも全然観れる内容である。気になっている人は見た方がいいかも。

トム・クルーズ

 今劇場でかかっているトム・クルーズのミイラ映画が気にある。夏休みらしい「ザ・ハリウッド」的な冒険活劇だと思うんだけど、なぜ今になってミイラ冒険もの?と不思議である。ミイラの呪い系の映画って今までさんざん作られてきたし、それをスーパースターのトム・クルーズがわざわざやる分けだから、何かしらきっと普通じゃない、と思うんだよね。予告編をみた感じでは期待通りの大味アメリカアクション映画だと期待はしているんだけど笑。
 それにしてもトム・クルーズはすごいよね。今だにスターの王座に君臨しているし、それも普通のスターではなく「スターの中のスター」という立ち位置である。安全パイな映画ばかりを作っているわけではなく、ある意味自分の存在すすらをも自虐的に捉え「老いたロートルが時代遅れながらも頑張る」映画も撮っているかと思えば、今回みたいな横道なアクションスターの役もやってしまう。「スタンは自分でやってます」的なことを売りにした印象が強いんだけど、実は自分のイメージを完璧にコントロールしてるっぽい。「トップガン」の続編やるらしいんだよね。大丈夫か?と普通は思うんだろうけど、トム・クルーズのことだからバッチリ勝算があるに違いない。楽しみだ。

映画館デビュー

 「カーズ クロスロード」で先生が映画館デビューを果たした。暗闇が怖いこと、そして2時間もの間おとなしくしていられるか、の不安はあったけど、片時もスクリーンから目を離さずずっと集中しっぱなしであった。マックイーンに対する愛情がたくさんの壁を越えさせたのかな。
 劇場には子供がたくさんいて、皆最初は大人しいものの、途中からトイレに行きたがったりうるさく遊びだしたりと、やはり集中が続かない感じだったけど、先生は背筋をピンと伸ばし、最後のエンドロールまで堪能した。映像の力はすごい。
 問題は映画の方なんだよね。どう考えても大人をターゲットとした内容で、終始泣きそうだったよ。特にCGのリアル加減があまりにも高くて、使い古された表現だけど、実写に思えるぐらいであった。予告編でもあるマックイーンのクラッシュシーンなんか、「あれ、これ死んじゃうんじゃない?」と心配しちゃうぐらいだったよね・・、車なんだけどね。
 長い時間画面を見ているのって子供の目の健康的にどうかと思う所はあるけど、また何かを見に行きたいなと思っている。

確実に来てる

 この所、アマゾンが独自で作っているコンテンツを見ているんだけど、これが面白い。アマゾンだから面白いのではなく、なんていうのかな、地上波やハリウッド(大手スタジオ)じゃない所が尽きっているから面白いんだよね。スポンサーやしがらみがないし、映画館にもテレビにもかけないから日本でいう「映倫」みたいな審査団体を通っていないのかも知れない。日本ではアレなシーンではモザイクがかかるが、向こうでは全くかかっていないらしいし、今まで作られてきた基準とは全く違う尺度で作られているっぽい。これが無名の役者ばかり金のかかっていないものばかりだったら意味ないんだけど、スターも出てるし監督も有名な人ばかりだ。今後のハリウッドはどうなるんだろ。映画館はどうなるんだろ・・。VRが一般的になったら本当になくなるかもね。
 でもよく考えたら、視聴料で稼いでそれで自分たちが作りたいものを作ってそれを見たい人が見る、という形は自然といえば自然でなんだよね。楽しみでもあり、怖くもあるな・・。

I am the master of my fate, the captain of my soul.

 昨日の夜に「インビクタス」を3,4回目になるのかな、鑑賞した。95年のラグビー・ワールドカップで優勝を果たした南アフリカのラグビー代表と、ちょうどその当時大統領になったマンデラとの関係を描いた実話である。今まであった体制を180度変えながら、そらにそこに人種差別とか価値観の相違とか、色んな問題がラグビー代表に集約されチームが一つの希望となるんだけど、それが漫画でも描かれないような展開になっていくのだから事実とは本当に不思議なものである。

 ラグビーチームこそがバラバラの国民の心を一つにする希望であることに気づくマンデラは、キャプテンを呼んで一緒にお茶を飲む。そのシーンが好きなんだけど、マンデラがキャプテンにきく
「チームに全力を尽くさせるにはどうしているんだ?」
キャプテンは答える
「自分が手本となり、チームを導きます」
マンデラ
「その通りだ。では、彼らが思う以上の力を引き出させるには?」
と詰めるんだよね。
「卓越した力を発揮するには?」「周りのものすべてを鼓舞する方法は?」
と聞いたうえで、自分自身がどうだったかを説明していく。
「ロベン島でもうだめだ、と打ち負かされたときは(マンデラはそこの刑務所に27年間幽閉されていた)詩に救われた。ただの言葉なんだけど、それが私に力をくれた」
という。このシーンはここからちょっとずつ本題からズレていって、あえてその疑問をわかりにくくしていく。が、不思議と「どうすれば人は持ち得る以上の力を発揮できるのか」ということと、その大切さを説いている。映画の中ではちょっと分かりにくいシーンではあるけど、何度も見ているとここがキモか!と気づく。おすすめです。

エンディング切りやがった

テレビ局にクレームを入れる奴はただの暇人だ、と思っていた僕だが、今日そういう奴らの気持ちが初めてわかったよ。
今日の金曜ロードショーで僕が大好きで、映画史上最も正しいエンディングであると書いた「ワイルド・スピード スカイ・ミッション」が放送された。映画はいたって普通のいつも通りのワイルド・スピードなのだが、エンディングそのものを、映画の完成間際に自動車事故で亡くなった主役のポール・ウォーカーに捧げる構成になっている。エンディングの途中で、過去のシリーズ作品からポール・ウォーカーの大事なシーンがいくつか流れる。敵だった二人が出会い分かりあい、互いを助け合いながら仲間になり、ともに戦うことでいつしか家族になっていた。画面の向こう側の登場人物達も、こっち側でみている観客も皆、亡くなったポール・ウォーカーの輝ける瞬間を見ながら心の中で「さよなら」を言えるんだよね。

それが今日のロードショーで、丸々カット・・。一番いい部分を丸々カット・・。「主演のポール・ウォーカーさんは本作完成直前に亡くなりました。」と右側に字幕を出して、それで終わり・・。ふざけるな!あの部分を流さないことには、「ワイルド・スピード」はただの車バカ映画だと思われちゃうじゃん!(実際そうだけど・・)。なんか、こんなやり方だったらまだ流さない方がよかったなあ。こういう感じだからテレビで映画をかけるのがどんどん少なくなっているに違いない。愛がないのだ。愛が。

猿の惑星:聖戦記 グレート・ウォー


「猿の惑星」シリーズの最新作のトレーラーがリリースされた。今度は本格的な人間と猿の戦いが描かれているようで、予告編は戦争映画さながらである。人間側に猿の裏切り者?がいたり、猿と心の交流をする少女がいたりとで、誰もが好きな要素がすでに揃っていて今から楽しみだ。
猿の惑星は常に社会問題の鏡的映画だったけど、新シリーズになってからはその要素が希薄になっている気がしていた。が、ここに来ての「3」は相手側がアメリカ軍(ぽい)軍隊が敵側になっているので、もしかしたらそういうスパイスが復活している可能性もある。映画界ももしかたらトランプ前、トランプ後で変わったりするのかも知れない。

マトリックス4

 なんと、あの「マトリックス」の新作が企画中らしい。正確にいうと続編ではなく、最近はやりの「リブート」(一からやり直し)らしいんだけどね。もうリブート?最近の作品じゃん!と思っていたけどもう19年も前の映画なんだよね。
 公開された99年と、誰もがスマホを持っている今とでは全く違う時代である。仮想現実とか実存や生命、インターネットに対する考え方がまるっきり違うから、現代における「マトリックス」ってすごく見てみたいけどね。現時点ではウォシァウスキー姉妹(99年当時は小兄弟)は今の所ノータッチらしいけど、あの二人のアイデンティティなしではマトリックスはありえないんだよね。キアヌも歳をとっているし。攻殻機動隊もうそうだけど、今の時代の方がこの映画を見るのにあっている気がする。

古い映画

普段からもっている映画を再見するのが楽しいんだけど、アマゾンプライムのおかげで古い映画を良くみている。何度も見ている映画なんだけど、TVでやっているとついつい見てしまうあの感覚に似ていて楽しいのである。

映画を見るときの、わざわざ時間を作って準備をして出かけたり、予告編を観ながらわくわく感を味わい、それが終わったら一度座りなおして体制と気持ちを整えるあの特別な感じもいいんだけど、こういう、なんの気遣いもなしに見れる環境もいいなと思う。変な話、ながら見でもいいこの感じだって立派な映画文化に寄与しているとおもうんだよね・・。アマゾンプライム面白い。