西表島 4日目

 2つ目のツアーに参加する。マングローブをカヌーで進んだ後に、滝に遊びに行くという内容のアクティビティである。以前にもカヌーの経験はあるし、シーカヤックのように足での操作が必要ない分だけコントロールは簡単。僕と下の子、妻と長男ペアで進む。流れもないのだが、観光客が多く川が混む、という体験をする。海と川が混ざるマングローブの風景は確かに不思議なのだが、ずっと続くと慣れてしまう。カヌーを降りてからハイキング。ロケーション的にはもののけ姫の世界。カヌーを降りてからはなかなかの距離で、足場も悪く蒸すような暑さのなかをずっと登っていく。道中、滝遊びを終えた人たちを道を譲りあう。もう少しですよ!と声をかけてくれる皆様。皆下の子を見て、こんな小さな子が登るんだ!すごいね!なんて声をかけてもらう。降りる人登人、細い道を譲り譲られ、必ず挨拶が交わされる感じも良かった。

 苦労してたどり着いた滝はすごい・・、の一言で、落ちてくる水が途中から霧になるぐらいの落下距離。真下にはいけないのだが、滝つぼに飛び込みスポットがあり、勇気をもって子供たちが飛び込んだりしている。水はやはり冷たい。一度入ってしまえばいいんだろうけど、下の子はそれが中々できずに不貞腐れモード。が、ガイドさんの協力もあって、一気にテンションがあがって浅瀬で暴れまくり。子供は本当、こういう時の手のひら返しが早い。滝つぼの少しずれた所に池のようなスペースがあり、そこで遊びまくった。見たこともないような手長エビも発見。

 昼にはガイドさんがままソーキそばを作ってくれる。皆で岩に座って、滝を見上げながら食べる。冷えた体に沁みる染みる。子供たちも完食してくれた。で、今度は下山だ。同じ道だが、下りはやはり早い。余裕もあるので、途中で虫やトカゲ類を見ながら下山、そしてカヌー。子供たちもガイドさんになつき、色々と話していた。実はカヌーから駐車場に向かう最中に、ヨナグニサンという蛾を発見。ガイド歴3年のガイドさんも、初めてみたとのこと。ラッキーであった。ヨナグニサンはモスラのモデルになった蛾でとにかく大きく、羽のデザインも蛇の頭を横から見たような形になっている。とにかくレアな出会いだった。

 ガイドさんと別れ、上原港に売っていた西表島島の生物図鑑を買いに行く。この度を通じて、いくともの天然記念物に遭遇していて、長男がその詳細が知りたいらしい。島に着いた日から目を付けていたが、値段がちょっと高いこともあり見送っていたけど、やはり欲しいとのこと。無事売れずに残ってくれていた。

 夜は空振りに終わったヤマネコ探し、一家で出向く。今度は娘が行きたいと言っていた、注意看板が並ぶヤマネコロードを目指す。少し走ると看板を発見、それを見た娘が恐怖におののく。なんと、看板に書かれたヤマネコの目の所がLEDで光っており、それが暗闇の中で浮き上がっているのである。よくぞここまでやるなあ、と思っていると、娘は「ヤマネコは目から光線を出す」ととらえたそうで、もうヤマネコ捜索はやめて今すぐ帰りたい!目が光るのは怖い!と大騒ぎ。あれは看板だけで、本当は光らないよ!(多分)と、なんとかなだめてもう少し進むと、ヤマネコに注意!スピードを落としましょう!と書かれた垂れ幕を持った集団に遭遇。観光客が多くなる時期にやる活動だそうで・・。あんたらがそんな活動するから、こっちはヤマネコを見れる可能性が下がるじゃん!と思ったけど、向こうからすれば「お前らみたいなのがいるから危ないんだよ!」という事なんだろうなあ。

 イリオモテヤマネコは100頭前後の生息数なのだが、2018年には9匹が交通事故で殺されていると。2年前ぐらいから対策のおかげか、それがゼロとなっているのだ。島内の最高速度は40キロという設定もイリオモテヤマネコあってのもの。最初こそ何にも考えていなかった僕だが、良く考えたらかなり責任が重いなあ、轢いてしまった日にはと想像すると・・、と緊張感が生まれた。

 何はともあれ、娘のイリオモテヤマネコに会いたい熱が下がり一安心。明日はいよいよ帰りだ。

西表島 3日目

 3日目はあえて予定を入れずにフリーにしてあり、格段に浜が美しいというイダの浜に行く。同じ島にあるのだが、船でしかいけない立地で、船に乗り込んでくる客、特に子供たちはすで皆海で遊ぶ格好している。港の周りに数個の飲食店といくつかの宿があるぐらいの、小さな集落である。港に着いた時点で、船の周辺にすでに昨日のアクティビティで見た青い魚が普通に泳いでおり、ここら辺から「綺麗な海」の基準が狂ってくる。船乗り場から少し歩いた所にかき氷を出してくれる店があって、熱いこともありとりあえず食べていく。船を降りた際の客は皆に行っており、残っているのは我々だけであった。店番をしているのは高校生ぐらいの兄弟3人で、色々話していると夏休みで大阪からおばあちゃんの家に帰ってきているという。おばあちゃん家が観光地、というのはどんな気持ちなのだろう、と想像する。質問したら、子供の頃から来ているけどやはり楽しい、とのこと。そりゃあそうか、と納得。感じのいい子たちであった。途中で、お店に設置されているコカ・コーラの自動販売機を開けようとするのだが、やり方が分からない。お姉ちゃん、弟、妹、という3人兄弟だが、あれこれと鍵を入れたり、押したり引いたりしても開かない。こうなったらお母さんを呼ぶしかないということになり、お母様も来るんだけど、やはり開かない。もうここはババにやってもらうしかない、ということになりおばあ様が来るんだけど、フン!と力を入れた所簡単に開く自動販売機。おばあちゃんは強し。

 イダの浜はその評判通りの美しい所で、ちょっと頑張って先の方まで行くと浜と浜をつなぐトンネルがあったりして、冒険的な所もあり十分楽しめた。先の方に行くと人もおらず、全ての風景を独り占め。このプライベート感が今回の旅のポイントだったのかな、と思う。大分遠くまで行ったので、帰りが大変で、下の子を引っ張りながら泳がないといけない。その最中、尖った岩に膝をぶつけ、切ってしまう。そんなに深くはないが、5-6センチぐらいのまっすぐな切り傷を作ってしまう。海中だからずっと血が止まらず、しかも浜までは200メートルぐらいはある感じ、根性で泳いだ。

ビーチを上がってからは、近くの飲食店でお昼を食べる。すでに営業時間が終わっていたが、おばあちゃんが快く迎え入れてくれた。ここら辺、子供がいると強いよね。なんと、このおばあちゃんは、天然記念物である亀を餌付けしており、見せてくれた。見せてくれたところか、お父さん持ってきて!と天然記念物をキャッチさせられる。ここに持ってきて、子供たちに見せてよ、とのことで、恐る恐る天然記念物である亀を運ぶ。この亀は、とにかくパンが好きで、パンを置くと、亀とは思えないようなスピードで食べにきていた。西表島島の天然記念物については事前に調べていて、触ってはいけないとか、見かけても遠くから見るだけにしてほしいとの注意をいくつもの本で読んでいたが、そこら辺のルールを一気に飛び越えてしまうこの世界観。おばあちゃん曰く、こんなの何が天然記念物なんだろうね?とのことであった。

最終の船で帰る。朝の客はほとんどおらず、僕らと数組だけの船、そしてお店のスタッフたちが帰路につく。港についてからはまたスーパーによって、アイスや飲み物を買う。夕飯の後に裏のビーチに星空を見に行く。雲が広がっていたので思っていたほどではなかったが大きなコウモリが見れた。ビーチのよるはやはり静かで暗い。

娘が、「西表ヤマネコに会いに来たのに、まだ会えていない。このままでは帰れない」ということで、満足させるためだけに夜のドライブに出かける。そんな簡単には見えるはずはないのだが、ガイドさんからきいた出没スポットを周る。もちろん空振り・・。離島の夜は本当に暗く、街灯もないところも多く、車のヘッドライトだけが浮かんでいる状態。バンガローに帰ると妻に「パパが行きたい所に連れて行ってくれなかった」と文句を言われる。僕は出没スポットを周ったのだが、本人は道端に置いてある「ヤマネコ注意 スピードを落とせ」「ヤマネコが通ります! スピードを出さないで」という看板が置いてある「ヤマネコロード」を通ってほしかったのだそうだ。そこにイリオモテヤマネコが通るのだから看板があるはずで、そこに行けば見れるはず、という理屈の様だった。確かに、わからんでもない。

西表島 2日目

二日目

 朝起きて外を何気なく見たら、庭に鶏が遊びに来ていた。どうやら放し飼いされているお迎えさんの飼っている鶏のようだ。中々大きくて、近づいても逃げない。こっちからすれば珍しい光景なのだが、向こうからすれば当たり前なのかな。あの人たち、鶏の写真なんか撮っているよー、ぐらいに思われていてたりして。

 シーカヤック→シュノーケリングツアーの参加。ガイドさんに案内してもらいながら、誰もいない浜にカヤックで移動。そこでシュノーケリングをしたり、海に飛び込んだり、ニモを観察したり。上の子も下の子も海にビビることがなく、楽しんでいた。特に海になれた長男は感じるものがあったのか、ガイドさんに非常になつき、色々質問をしたり話をしていた。成長を感じる瞬間だったかな。旅の後半では、魚という魚は飽きるぐらいに見たこともあり新鮮さはなかったが、この時はまだ驚きが一杯であった。

 シーカヤックで海の上をすべる感触は気持ちが良かった。ありきたりな表現ではあるが、とにかく水の色が僕らが普段目にするものとは全く違っていて、綺麗なんだよね。深さによって緑と青の濃さが変わり、色も一つじゃない。また、そこらへんを大小の魚が群れをなして移動をしていて、飽きないのである。昼以降もビーチ遊びの予定だったが、参加者は我が家だけなので、予定を変更してもかまいませんよ、とガイドさんからの提案。気分を変えて、滝を見に連れて行ってもらう。

 カヤックで港に戻る。お昼にガイドさんがソーキそばを作ってくれて、それを食べてから山を登って、滝を見に行く。滝に着くころには暑くて暑くてすぐにでも水に飛び込みたい気持ちだったが、そんな気持ちにもブレーキがかかるほど滝の水はたく、泳げない僕としてはちょっと怖かった。が、普段は絶対に見ることのできない光景は美しい・・。海とは全く違う環境が楽しく、いい比較になった。自分のことを川が好きなタイプの人間かと思っていたが、いつの間にか海側に移っていたらしい・・。

 ツアーが終わってからはいつものスーパーにより、アイスや飲み物を調達。バンガローに帰ってから、裏のビーチに夕日を見に散歩。そしてそのまま夕日を見ながら服のまま水に入る。周りには誰もおらず、音もしない。こういう、静けさも良かったな。

西表島

 夏休みで西表島へ。下が5歳、上が10歳。ここ数年はサーフィンを通じて海のレジャーに慣れてきたこともあって、下の子に飛行機を経験させる意味でも行ってきた。本土もいいけど、自然を求めて離島へ。

 初日

 早朝に成田から石垣島に出発。下の子も映画を観ながら過ごし、初めての飛行機に緊張もなく、熱帯の石垣空港に到着。そこからバスで石垣港に移動。ここでこの度の間ずっと飲むことになる、ゲンキクール、ゲンキクールカフェに出会う。調べたら、石垣島の外には出さないようにしているらしい。帰ってから買おうと思ったら、通販もない・・・。

 石垣港から西表島にフェリーで移動。五島列島に行った際に、高速フェリーに乗って酔った記憶がよぎるが、40分だし問題なし。西表島大原港に到着。ここからいよいよ離島感が出てくる。フェリーを降りるとレンタカーの兄ちゃんが待ってくれていた。事務所まで乗せてもらう。受取手続きをしている最中に、レンタカー事務所に電話がかかってくる。どうやら、僕を拾ってくれた兄ちゃんが、客を一人忘れていたらしい。僕以外にもう一人いたようだ。この兄ちゃんは3ヶ月前に20歳のなったなかりなんだけど、島を出たことがないようで、毎日が詰まらないですよ・・、と言っていた。3ヶ月前に20歳になったばりってことは、免許取る前から絶対運転していますよね?と鎌をかけたら、そんなことありませんよー、と否定していた。でも、この島、警察官は3人しかいませんから、と面白い情報をくれた。兄ちゃんが忘れられた客を拾いに行っている間に車を受けとる。事前の状態確認もなく、ドア開けたらマットに砂の足跡が・・。これが離島クオリティーか?と思いながら港を出発。

 途中にある由布島に寄る。水牛に引かれたり、島を散策。ガイドさんが水牛の生態を説明してくれるんだけど、これが面白かった。歩きはいつもは遅いけど、仕事終わりの最後の一本の帰りだけは早いとか、水牛それぞれに個性があるらしい。

 また車に戻り、バンガローを目指す。ナビでの所要時間は1時間ぐらいなのが、30数分で着いてしまう。そういうば西表島での制限速度は40キロで、ナビはそれを元に計算していたのだ。肝心のバンガローはウェブサイトで見るよりもずっと高クオリティ。2段ベッドがあったり、ロフトがあったりと、子供も喜んで一通り探検をしていた。

 歩いて3分の裏ビーチに行く。そのビーチのそばに建っているホテルの宿泊客と思われる親子が一組いるだけで、あとは僕らだけ。水は暖かく、足だけ入ろうという言っていた子供たちが我慢できずに入り、僕も続く。遠浅な浜で、そのため水が暖かく気持ちが良かった。またいつでも来れるからと子供たちを説得し、島に数件しかないスーパーへ。スーパーはフェリー乗り場のそばにあり、21:00まで営業している唯一の商店である。スーパーはあと二つぐらいあるけど、皆19時には閉店してしまうんだよね。2,3日分の食材等を買い込む。ずっと続く一本道に時々、「無人パイン売り場」があったりするが、どれも何も置いてない。どうやらもっと早い時間に行かないといけないようだ。バンガローに戻り、ずっと食べれるようにカレーを作る。普段とは違う空気も手伝って、皆元気にパクパク食べた。

 西表島の夜は暗く、騒々しい。鳥なのか、虫なのか、良く分からない何かが鳴いていたり動いたりしている。朝日が昇るとその音がさらに増し、鳥の鳴き声で起きてしまったりする。最初こそなれずにうるさいなーと思っていたけど、千葉に帰って最初に思ったのは「鳥の音しないね」である。