西表島 5日目

 朝、なんとか頑張って早起きをし、近くの漁港にウミガメを見に行く。昨日のガイドさんが教えてくれたスポットである。朝早く行くと見れますよー、ということであった。6:00ちょっと前ぐらいだったかな。堤防を歩きながら底を覗いていると、長男が「いた!」と発見。僕らの存在を全く気にしない大きなウミガメが、悠々と静かに泳いでいた。ついでにウミヘビもいた。もう滞在5日目だから、もはや海は底まで見えるのが当たり前、みたいな価値観になっている自分に気づく。

 バンガローをチェックアウトし、西表野生生物保護センターも行く。西表島の生態系を教えてくれるセンターで、ここでやったイリオモテヤマネコ(のはく製)と対面。娘がどんな反応をするのかが気になっていたが、大きな発見はなかったようで、大きな価値観の反転があったのかな。そこではイリオモテヤマネコ検定みたいなのをやっていて、妻と長男がなぜか燃えてしまい、二人とも1級を獲得。すごい。

 センターを後にし、大原港に向かう。最後のドライブを楽しむ。途中で無人パイナップルの売店でものを見ていると、オーナーと思われるカップルがスイカを運んできた。あ、スイカもらえますか?と聞いたら、微妙な顔をされる。いくらですか?と聞いたら、500円だという。一個お願いします!というと、申し訳なさそうな顔をして「赤いのと黄色いのがあるんだけど、運んでる途中で分からなくなっちゃった・・」とのこと。微妙な顔の理由がそれだったのね。いや、どれでもいいですので!と一個もらう。受け取りながら無人売り場を見ると、スイカ1000円のポップが。え、いいんですか?と聞いたら、いいですよ!と。ありがとうございます!とお礼をする。若いカップルがスイカを育てる様子を想像したら、なんとなく楽しそうであった。二人とのスポーティーな恰好をされていて(女性の方はブラトップのみ!)ちょっと格好良かったんだよね。

 レンタカーを返し、大原港付近で最後の食事。それから船に乗り、石垣港まで揺られる。時間が結構ギリギリな事もあって、タクシーに飛び乗る。このタクシーの運転手の見てくれがその筋の人丸出しだったが、話してみるといいおっちゃんだった。なぜか下の子も「西表島でヤギみたんだよ~」なんて話しかけていた。きけばこの運転手さん、大麻推進派の例の女優が石垣島で逮捕された日にアテンドをしていたそうで、ワイドショーのインタビューなども受けたという。

 で、空港に着く。少し余裕たあったので、最後のお土産ショッピング。なんと、ゲンキクールのグッズ店舗もあって大喜びする僕。楽しかった。この時はまだまだ旅行気分が残っていたが、飛行機の離陸と共に西表島がどんどん遠ざかり、一気に現実に引き戻される。あー、これから帰るのかと、自分の周りの空気みたいなものが崩れ、前からあったものが充満していくみたいな、そんな感じであった。

西表島 4日目

 2つ目のツアーに参加する。マングローブをカヌーで進んだ後に、滝に遊びに行くという内容のアクティビティである。以前にもカヌーの経験はあるし、シーカヤックのように足での操作が必要ない分だけコントロールは簡単。僕と下の子、妻と長男ペアで進む。流れもないのだが、観光客が多く川が混む、という体験をする。海と川が混ざるマングローブの風景は確かに不思議なのだが、ずっと続くと慣れてしまう。カヌーを降りてからハイキング。ロケーション的にはもののけ姫の世界。カヌーを降りてからはなかなかの距離で、足場も悪く蒸すような暑さのなかをずっと登っていく。道中、滝遊びを終えた人たちを道を譲りあう。もう少しですよ!と声をかけてくれる皆様。皆下の子を見て、こんな小さな子が登るんだ!すごいね!なんて声をかけてもらう。降りる人登人、細い道を譲り譲られ、必ず挨拶が交わされる感じも良かった。

 苦労してたどり着いた滝はすごい・・、の一言で、落ちてくる水が途中から霧になるぐらいの落下距離。真下にはいけないのだが、滝つぼに飛び込みスポットがあり、勇気をもって子供たちが飛び込んだりしている。水はやはり冷たい。一度入ってしまえばいいんだろうけど、下の子はそれが中々できずに不貞腐れモード。が、ガイドさんの協力もあって、一気にテンションがあがって浅瀬で暴れまくり。子供は本当、こういう時の手のひら返しが早い。滝つぼの少しずれた所に池のようなスペースがあり、そこで遊びまくった。見たこともないような手長エビも発見。

 昼にはガイドさんがままソーキそばを作ってくれる。皆で岩に座って、滝を見上げながら食べる。冷えた体に沁みる染みる。子供たちも完食してくれた。で、今度は下山だ。同じ道だが、下りはやはり早い。余裕もあるので、途中で虫やトカゲ類を見ながら下山、そしてカヌー。子供たちもガイドさんになつき、色々と話していた。実はカヌーから駐車場に向かう最中に、ヨナグニサンという蛾を発見。ガイド歴3年のガイドさんも、初めてみたとのこと。ラッキーであった。ヨナグニサンはモスラのモデルになった蛾でとにかく大きく、羽のデザインも蛇の頭を横から見たような形になっている。とにかくレアな出会いだった。

 ガイドさんと別れ、上原港に売っていた西表島島の生物図鑑を買いに行く。この度を通じて、いくともの天然記念物に遭遇していて、長男がその詳細が知りたいらしい。島に着いた日から目を付けていたが、値段がちょっと高いこともあり見送っていたけど、やはり欲しいとのこと。無事売れずに残ってくれていた。

 夜は空振りに終わったヤマネコ探し、一家で出向く。今度は娘が行きたいと言っていた、注意看板が並ぶヤマネコロードを目指す。少し走ると看板を発見、それを見た娘が恐怖におののく。なんと、看板に書かれたヤマネコの目の所がLEDで光っており、それが暗闇の中で浮き上がっているのである。よくぞここまでやるなあ、と思っていると、娘は「ヤマネコは目から光線を出す」ととらえたそうで、もうヤマネコ捜索はやめて今すぐ帰りたい!目が光るのは怖い!と大騒ぎ。あれは看板だけで、本当は光らないよ!(多分)と、なんとかなだめてもう少し進むと、ヤマネコに注意!スピードを落としましょう!と書かれた垂れ幕を持った集団に遭遇。観光客が多くなる時期にやる活動だそうで・・。あんたらがそんな活動するから、こっちはヤマネコを見れる可能性が下がるじゃん!と思ったけど、向こうからすれば「お前らみたいなのがいるから危ないんだよ!」という事なんだろうなあ。

 イリオモテヤマネコは100頭前後の生息数なのだが、2018年には9匹が交通事故で殺されていると。2年前ぐらいから対策のおかげか、それがゼロとなっているのだ。島内の最高速度は40キロという設定もイリオモテヤマネコあってのもの。最初こそ何にも考えていなかった僕だが、良く考えたらかなり責任が重いなあ、轢いてしまった日にはと想像すると・・、と緊張感が生まれた。

 何はともあれ、娘のイリオモテヤマネコに会いたい熱が下がり一安心。明日はいよいよ帰りだ。